相続発生直後に、年金事務所と被相続人の住所地の市区町村役場で行う手続きを説明します。
目次
相続発生直後には、年金事務所と被相続人の住所地の市区町村役場で、次の手続きを行います。
| 届出事項 | 提出先 | 手続きの内容 |
|---|---|---|
| 1,年金の受給停止手続き | 年金事務所 | 「年金受給権者死亡届」を提出します。 |
| 2,世帯主の変更届出 | 被相続人の住所地の市区町村役場 | 世帯主が亡くなった場合、残りの世帯員に15歳以上の人が2人以上いる世帯は「世帯主の変更届(住民移動届)」を提出します。 |
| 3,医療保険の資格喪失手続き | 国民健康保険、後期高齢者医療保険の被保険者が亡くなった場合、「資格喪失の届出」と「被保険者証の返却」を行います。 | |
| 4,介護保険の資格喪失手続き | 介護保険の被保険者が亡くなった場合、「資格喪失の届出」と「被保険者証の返却」を行います。 |
年金の受給停止手続き
公的年金を受けていた方が亡くなった場合には、年金事務所に対して、「受給権者死亡届」を提出して、年金を止める必要があります。
日本年金機構に個人番号(マイナンバー)が収録されている場合には、原則として、「年金受給権者死亡届」の提出を省略できます。マイナンバーが収録されているかは、ねんきんネットや年金事務所への確認で知ることができます。
また、公的年金の受給停止手続きを行う必要がある場合は、次の手続きを同時に行うとよいでしょう。
- 未支給年金の請求
- 遺族厚生年金の請求
世帯主の変更届出の提出
世帯主変更とは、住民票に記載されている現在の世帯主(世帯の中心となる方)から同世帯員に世帯主を変更する手続きのことです。
世帯主の変更届出が必要となるのは、「亡くなられた方が世帯主で、その方以外に15歳以上の世帯員が2名以上いる世帯の場合」です。次に世帯主となる方が明らかな場合や、次に世帯主になる方がいない場合には、世帯主変更届は必要ありません。
世帯主変更届の様式は、市区町村によって異なりますが、ほとんどの市区町村で「住居異動届」を用います。世帯主変更届の概要は、次のようになります。
| 期限 | 亡くなった日から 14日以内 |
| 手続き可能な人 | 同世帯員、別世帯の方は要委任状 |
| 手続き方法 | お住まいの市区町村の役場窓口 |
| 必要なもの | 届出者の本人確認書類 |
医療保険の資格喪失手続き
国民健康保険または後期高齢者医療保険の被保険者が亡くなった場合
国民健康保険とは、会社に勤めていないフリーランスや自営業、無職、年金受給者などを対象とした医療保険制度です。また、後期高齢者医療制度は、75歳以上の方が加入する医療保険制度です。
国民健康保険または後期高齢者医療保険の被保険者が亡くなった場合、亡くなった方の被保険者の資格を喪失するためには、「資格喪失の届出」と「被保険者証の返却」が必要です。
資格喪失後に、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料の精算が行われます。精算金額のうち相続の開始の日以前に支払った保険料の還付金は相続財産に該当し、納付額は債務となります。
また、高額療養費の払戻し、高額医療・高額介護合算療養費の払戻しの対象となる場合には、市区町村から申請書等が送付されますので、その後、高額療養費、高額医療・高額介護合算療養費の支給申請書の提出を行います。
被相続人が国民健康保険または後期高齢者医療保険の被保険者の場合には、葬祭費(3〜7万円)が支給されます。市区町村の役場窓口で葬祭費の支給申請を行う必要があります。
国民健康保険、後期高齢者医療保険の資格喪失手続きの概要は次のようになります。
| 期限 | 亡くなった日から 14日以内 |
| 手続き可能な人 | 世帯主、同一世帯員、代理人 |
| 手続き方法 | お住まいの市区町村の役場窓口 |
| 必要なもの | ・被保険者証・高齢受給者証、限度額適用認定証(持っていれば) |
健康保険の被保険者が亡くなった場合
健康保険は、サラリーマンなど、民間企業等に勤めている人とその家族が加入する医療保険制度です。
健康保険の資格喪失手続きは、会社(事業主)が行います。ただし、次のような場合には、ご家族の手続きが必要になります。
- 亡くなった被保険者に扶養されていた家族は、自身で国民健康保険に加入するか、健康保険の被保険者となっている他の家族の扶養に入ります。
- 被相続人の厚生年金保険の被扶養者であった配偶者は、国民年金第3号被保険者から第1号被保険者への種別変更手続きを行います。
介護保険の資格喪失手続き
介護保険の被保険者が亡くなった場合、亡くなった方の介護保険の資格を喪失するためには、「資格喪失の届出」と「被保険者証の返却」が必要です。手続きが必要となるのは、次の場合です。
- 亡くなった方が65歳以上の被保険者
- 40歳以上65歳未満の要介護・要支援認定を受けていた被保険者
介護保険料は、資格喪失後に保険料の精算が行われます。精算金額のうち相続の開始の日以前に支払った保険料の還付金は相続財産に該当し、納付額は債務となります。
また、高額介護サービス費の払戻しの対象となる場合には、市区町村から申請書等が送付されますので、その後、高額介護サービス費の支給申請書の提出を行います。
介護保険の資格喪失手続きの概要は次のようになります。
| 期限 | 亡くなった日から 14日以内 |
| 手続き可能な人 | 誰でも可能(委任状不要) |
| 手続き方法 | お住まいの市区町村の役場窓口 |
| 必要なもの | ・被保険者証・負担割合証(持っていれば)・負担限度額認定証(持っていれば) |
