企業年金の遺族一時金とはなにか
企業年金とは
企業年金とは、公的年金に上乗せして支給される年金制度(私的年金。いわゆる3階部分)のうち、企業が従業員の老後生活保障のため掛金を拠出して実施する年金制度の総称をいいます。
日本の企業年金はもともとあった退職一時金の支払負担を平準化する趣旨で制度化されたものですが、現在では次の制度があり、それぞれ法令で規定され、税制上の優遇措置も講じられています。
- 厚生年金基金
- 確定給付企業年金
- 企業型確定拠出年金
企業年金の遺族一時金とは
企業年金の遺族一時金(死亡一時金)とは、企業年金制度で、加入者または受給者が亡くなった場合に遺族に一時金として支給されるものをいいます。
厚生年金基金、確定給付企業年金では、遺族給付金が制度上の名称となり、年金としての支給も想定はされていますが、実態は一時金支給がほとんどとなっています。また、確定拠出年金では死亡一時金とされ、年金での支給は認められていません。
企業年金の遺族一時金と相続税申告
被相続人が企業年金に加入していた場合には、遺族に対して、死亡一時金が支給されます。この遺族一時金には、所得税は課されませんが、税務上「相続財産とみなす」ものとされ、相続税が課せられます。
なお、国民年金、厚生年金、共済組合などの公的年金から支給を受ける死亡一時金や遺族年金については、相続税の課税対象とはなりません。
遺族一時金と死亡退職金の非課税枠の適用
相続税の課税対象となる遺族一時金は、死亡退職金に該当し「500万円×法定相続人数」の非課税の規定が適用される遺族一時金と、非課税の適用がない遺族一時金とに分かれます。
遺族一時金と死亡退職金の非課税枠の適用関係は、次のようになります。
- 年金の受給が開始していない場合 → 死亡退職金の非課税枠の適用あり
- 既に年金の受給が開始している場合 → 死亡退職金の非課税枠の適用なし
死亡退職金の非課税枠が適用される場合
確定給付企業年金等の年金加入中に相続が発生し、死亡退職したことに伴い、当該年金制度から遺族一時金として支給を受けた場合には、相続税法第3条1項2号の死亡退職金に該当し、死亡退職金の非課税枠の適用があります。
なお、「年金加入中に相続が発生」とは、年金の受給開始前に相続が発生することです。
死亡退職金の非課税枠が適用されない場合
既に年金の受給が開始しており、年金受給中に相続が発生し、当該年金制度から遺族一時金として支給を受けた場合には、相続税法第3条1項2号の死亡退職金には該当しないため、死亡退職金の非課税枠の適用はありません。
