遺留分の侵害額請求がある場合の相続税申告

遺留分侵害額請求と相続税の当初申告

遺留分の侵害額請求をされている場合でも、相続税の申告書を提出する時点で、具体的に遺留分の減殺請求により返還する額が確定していない場合には、その遺留分侵害額請求はなかったものとして、相続税の計算をして相続税申告書を提出します。この場合の相続税の当初申告は、遺言書に基づいて行います。

遺留分侵害額が確定した場合

遺留分侵害額が確定した場合には、次の2つの方法により各人の課税関係を精算します。

修正申告と更正の請求

遺留分の侵害額請求により取得する財産が増えた人は、相続税の修正申告をすることができます。また、遺留分の侵害額請求により取得する財産が減少した人は、当初の相続税申告での相続税額が過大となりますので、更正の請求を行うことができます。

遺留分により財産が増えた人が税務署に追加で納付し、遺留分により財産が減った人が税務署から還付を受けることで、各人の課税関係を精算します。

当事者間での精算

遺留分の支払いが行われても、通常は相続税の総額に影響はありません。そのため、当事者間で修正される相続税額について、相互にやりとりして精算する方法によることも実務上はあります。

遺留分侵害額が確定した場合の修正申告と更正の請求は「できる」という相続税法の規定ですので、修正申告と更正の請求をしなくても問題ありません。

遺留分侵害額が確定した場合の更正の請求の期限

通常の更正の請求は、国税通則法の23条に規定されています。国税通則法の23条の通常の更正の請求の期限は、法定申告期限から5年以内です。

しかし、遺留分侵害額請求により支払うべき金額が確定した場合の更正の請求は、相続税法32条の規定によります。相続税法32条の規定による更正の請求は、遺留分侵害額請求により支払うべき金額が確定したことを知った日の翌日から4ヶ月以内です。